私が、この仕事に就くことになったのは、幼少の頃からケガが絶えず、思いついただけでも3歳のときに火傷(やけど)、5歳のときに鎖骨にひびが入り、15歳の高校入試の直前に再度鎖骨骨折(左側で良かった!)と整形外科をはじめとする医療機関にお世話になる機会が多く、ぼんやりとではありますが医療関係に進み悩める方々の役に立てればと考えておりました。
高校3年生ともなり、薬を使わずに、自分の自然治癒力のみで治療する東洋医学への関心からその当時日本で唯一の四年制鍼灸専門大学(今現在、鍼灸大学および鍼灸学部は4校あるが大学院博士課程まであるのは母校のみである。)である「明治鍼灸大学(現 明治国際医療大学)」に入学を決意し入学して、鍼灸医学と現代医学からなる密度の濃いカリキュラムをこなし充実した学生生活を送っていました。
3年時に国家試験に一発合格して鍼灸師の資格を取得後、4年時に大学附属病院実習を無事修了しました。成績もトップクラスであり学長賞(次席)を卒業式の時に頂きました。
その後いろいろ考えた末、世界の鍼灸の頂点である中国本土への留学を決行しました。その当時はちょうど「北京の天安門事件」と重なったことから「死にに行くようなものだから…」と友人にも反対されましたが、「南京市は南方だから大丈夫」との駐大阪中国総領事館の意見から断行しました。とはいえ中国訪中初日に上海空港に到着した瞬間に全く日本語が通じない環境下に自分が置かれていることに初めて気づき「とんでもない地の果て?に来てしまった。」の感は否めず通訳なしで列車に乗り、タクシーを拾い、命からがら南京師範大学留学生宿舎に到着したのでした(その時は、通訳の方が書いて頂いた3枚のメモだけでクリアーしました!)。
その後、南京師範大学にて1年間で現地の言葉である中国語をマスターした後に中国内で最も古い中医系医科大学である南京中医学院(現在の南京中医薬大学:5年制)に鍼灸コースとして進学し、後にその附属病院にて臨床を行うということを1年半やってきました。そこでは数多くの鍼灸医師の指導下で実習をこなすうち、中国鍼灸の効果の確かさ、理論体系の明快さ、科学性そして何より中国国民が鍼灸を信じ、それに応えている様子を見て私自身心うたれると同時に、自分の非力さに気づきました。
その中で、盛先生という中国鍼灸の達人より直接指導を受けることができました。この方は、南京市ではNO.1の名医で、半日で80人もの患者を鍼灸のみで治療されておりこんなものまで鍼灸は効くのかという症状、病気までも治していったのです。この方の経験が私の治療方針の一部を形作っています。今でも当院の医療顧問として私の治療方針上の相談にのって下さっています。
その後、帰国して名古屋市内の鍼灸治療院に1年間日本鍼の研修をしてその後、安城市内の整形外科リハビリ室にて鍼灸治療を19年間担当(院内で鍼治療を行い多種多様な病気を治療してきており、特に電気治療や頚椎牽引などの西洋医学の治療で効果が認められない難治性の首のむちうち症に関しては1000例以上の治癒経験があり自信を持っています。)し、数多くの日本の患者の方々を治療して参りました。
今現在は、自律神経と免疫の研究会、井穴頭部刺絡研究会等に所属し、全国の治療家との意見交換や学会に参加して自己の知識、治療技術のさらなる向上をはかっております。中医鍼灸と自律神経免疫療法(井穴頭部刺絡療法)そして西洋医学的理学療法、三軸修正法を適宜組み合わせることによって卓越した効果が期待できることはいうまでもありません!
最後に1997年10月26日に当地でTCM鍼灸院を開院して以来、順調にここまでやってこれたことはひとえに皆様のお陰でありこれからは一層の治療の質の向上に努め、地域でダントツに評価の高いそして安心して来院できる鍼灸院を目指します。
ど うぞ末永くご愛顧宜しくお願い致します。
2009年3月 院長加藤茂樹